導入事例

※本文表記中の「Biz∫SCAW製番管理システム」は、取材当時の名称であり、現在の「BIZXIM製番」のこととなります。

京都電子工業株式会社様

業務とデータの見える化を実現。意識改革が進展し、2割の在庫削減を達成!

京都電子工業株式会社様

1961年の創業以来、分析計の専門メーカーとして先端技術へ果敢に挑戦してきた京都電子工業。高品質で信頼性の高い同社製品は、企業や大学などの研究機関にとって欠かすことのできないパートナーとなっている。

世の中に先駆けて環境用分析機器へ事業を展開。全国のゴミ焼却場で数多く採用される排ガスの分析機器、近年は熱中症事故防止に貢献すべく熱中症指標計を開発。

しかし、50年以上にわたって技術革新と成長を実現してきた同社にも、克服すべき課題があった。製品の多様化にともない、原価や製造の進捗状況などの管理が複雑化してきたのだ。

この課題を解決すべく、社内プロジェクトが発足。基幹システムとして「Biz∫SCAW製番管理システム」が導入された。懸案であった各種情報の管理は飛躍的に向上を遂げた。また、システムの刷新を通して自らの仕事スタイルを見直すことができ、意識改革や部門を超えた連携も進んでいるという。その経緯について、プロジェクト担当者に話を伺った。

インタビュー

システム導入を通じてプロジェクトチームが目指したものは?

山本氏

山本氏

以前使っていたシステムは、2009年秋に期限切れを迎えることになっていました。
それを控え、新たなシステム導入に向けた社内検討の機運が高まってきたのが2007年頃のことです。

土村氏

当時のシステムはパッケージ製品でした。とはいえ、当社の業務特性に合わせたカスタマイズを随所に行っていた。いわば、仕事スタイルにシステムを合わせていたのです。
しかし、本当にそれでいいのだろうかという声もありました。

上村氏

上村氏

当社はおかげさまで50年以上の歴史を持ち、たくさんのお客さまから引き合いをいただいています。
ところが、歴史を積み重ねる中で、いたるところに「当社流」の仕事スタイルが根付いてしまっていました。私たちにとっては当たり前の仕事方法も、世の中全般や他の製造業者からすると非効率なこともたくさんあります。
そこで、システムをカスタマイズすることで当社流の仕事スタイルを守るのではなく、パッケージシステムに私たち自身を合わせていこうと考えました。導入に向けては、「一切のカスタマイズはするな」と号令を出したぐらいです。

田中氏

そのため、今回のプロジェクトは単なるシステムの更新という意味を越えて、より効率的でより質の高い業務スタイルを確立するという意味を持ちました。システムの検討に先駆けて、外部コンサルタントを招いて「製造業のあるべき姿」に関する研修を行ったぐらいです。
また、パッケージシステムの選定にあたっては、より多くの製造業で活用され、「世の中一般の仕事スタイル」に準じているシステムを、という基準が生まれていました。

導入以前の業務管理の状態は?

山本氏

以前のシステムで大きな課題となっていたことの1つに、原価管理があります。

田中氏

田中氏

当社では、標準品と1点ものの受注品の両方を扱っています。また、標準品をカスタマイズすることもあれば、部品のみでの注文もある。
本来は見積り時や受注時に、それらを品目ごとに原価と売価で管理しておく必要があります。
ところが、見積書や納品書に記載されているのは「一式」のひと言だけ。品目ごとの価格は、いわばどんぶり勘定だったのです。
結果、決算時にしか原価と利益は把握できないという状況でした。

土村氏

実際の在庫と数字で把握している在庫のギャップが激しかったですね。

田中氏

そうです。どんぶり勘定の延長として、製品の軽微なカスタマイズなどは製造現場がその場で行ってしまい、伝票はずっと後になって管理部門に回ってくることが頻繁にありました。
そのため、棚卸時の予定在庫と実際の在庫の差がものすごい。一刻も早く製品をお客さまのもとへという現場の気持ちはわかるのですが、経営管理上、これは大きな問題でした。

上村氏

結局のところ、当社は、生産管理が機能していなかったんです。
本来、生産管理はモノづくりの頭脳であり、コントロールタワーです。
ところが実情は、営業や設計などに振り回されていたうえに、伝票の処理係になってしまっていた。
これでは質の高いモノづくりはできません。

土村氏

土村氏

製造の進捗状況も生産管理では把握できていませんでしたからね。「生産管理をコントロールタワーに」というのは、システム更新を契機にして実現したい会社像でもありました。

導入以前の業務管理の状態は?パッケージとベンダー選定のポイントは?

山本氏

いかに効率的・効果的に原価を管理できるかという点が私たちの重要な着目ポイントであり、生産管理システム「Biz∫SCAW製番管理」を選んだ大きな要因になりました。
「Biz∫SCAW製番管理システム」は、原価管理を重視したパッケージであり、部品ごと、製品ごと、予定原価、実績原価など、細かく把握できることが印象的でした。
「このシステムであれば当社が目指すことを実現できる」と強く感じました。

四方氏

四方氏

NTTデータ関西は、当社と同じような原価管理をしている企業に多くの導入実績を持っています。また、「Biz∫SCAW製番管理システム」はそれらの企業で活用されているパッケージシステムです。
そのため、「できるだけカスタマイズせず、自分たちの仕事を合わせることで質を高める」という目標に沿うのではないだろうかと期待が高まったことを覚えています。

山本氏

あとは、導入後にSEが常駐してくれるサポート体制も選定の大きな要因でした。基幹業務システムの更新を契機にして仕事のスタイル自体を見直そうというプロジェクトでしたので、導入後に現場から疑問や不安が噴出することは目に見えていました。
NTTデータ関西の提案の中で、その不安が解消されました。

上村氏

選定にあたっては4社コンペを行いました。
その結果、プロジェクトメンバーのほぼ全員が「NTTデータ関西のシステムで実現したい」という意見で一致。
これが最終の決め手になりました。

導入開始までの期間中で印象的だったことは?

山本氏

「しっかりと付き合ってもらえた」という印象があります。
特に大変だったのが、製番単位で管理するというコンセプトの「Biz∫SCAW製番管理システム」を、受注単位で管理していた当社仕様に合わせてもらったこと。
「できるだけパッケージシステムをカスタマイズしない」という方針ではあったのですが、ここはカスタマイズが不可欠でした。
「Biz∫SCAW製番管理システム」の強みを損なうことなく当社仕様にしていただくには苦労が多かったと思いますが、エンジニアの方たちは粘り強く対応していただけました。

土村氏

私もエンジニアに苦労をかけた1人です。当時は、資材担当で、部品などの調達業務を受け持っていました。
円滑な調達を行うには、過去の実績や季節変動など複数のデータを分析する必要があったんです。

田中氏

あまりに複雑な業務が多過ぎて、他の人では代わりができないような状況でしたよね。
リスク管理という観点で言えば、とてもよろしくない状況だった。

土村氏

そうです。そこで、システム導入にあたって、「どのデータを見るか」「そのデータから何を読み取るか」など、私の頭の中をすべて吐き出しました。
そのうえで、システム上で同じことができるようにしてもらったのです。
もちろん、未来を予測するという業務ですから、システムが導いた答えに調整を加えることは必要です。
それでも少なくとも、私が行っていた業務の「見える化」を実現してもらうことができました。

システムの導入後、どのような変化や効果が現れましたか?

山本氏

「Biz∫SCAW製番管理システム」の導入後、原価に対する意識改革は部門を問わず進んでいますよね。

上村氏

システム内のデータは、どの部門でも見ることができます。
例えば開発部門では、設計時点で原価計算をする際にデータベースにアクセスして必要な部品や技術の原価を調べるようになりました。
原価意識が高まったこと、より正確な原価試算が行えるようになったことは、システム導入後の変化です。

田中氏

営業部門の意識改革も進んでいるように感じます。
見積りや納品書から「一式」という表記が消えましたし、伝票と実際のモノとが別々に動いてしまうことがなくなりました。そもそも、それらをやめようというのが、生産管理システム「Biz∫SCAW製番管理」の考え方であり、私たちがシステム更新を通じて実現しようとしたことです。
この効果は数字にもはっきりと現れていて、在庫は以前より2割削減することができました。工場全体での原価も、月末に締めた後、3~4日後には把握できています。

土村氏

製品や部品、図面にいたるまでの番号管理の整備もシステム更新にともなう効果の1つです。
以前は部門ごとに秩序なく番号が振られていたのですが、今回のプロジェクトを機に全社的な整理整頓が図られました。
特に設計部門は高い意識をもって取り組んでくれており、製造現場との連携がスムーズになりました。

今後の課題・目標は?

上村氏

番号管理にしても原価管理にしても、現状で満足している?もっと高いレベルを目指すべきじゃない?

田中氏

もちろんです。そのために今、取り組んでいるのは、工数の算出です。
どの作業にどれぐらいの時間がかかり、それを誰が担当するのかを割り出していけば、人にまつわる原価をはじき出すことができます。
現在は、部品など「モノ」に対する原価意識が高まってきた段階なので、次は「人の工数」という無形のものに対する意識の向上が課題です。

土村氏

工数と関連してきますが、ガントチャートを使いこなせるようになりたいですね。
予定工数が見えていることで受注や納品に関する営業部門との連携を深めることができたり、製造の進捗をリアルタイムに把握できるようになるからです。
そのためには、今以上に仕事に対する意識改革が必要だと感じています。だいぶん生産管理が中心となった業務になってきましたが、最終的には、目標である「生産管理をモノづくりのコントロールタワーに」という状態にたどり着きたいです。

上村氏

当社の今後の重要な課題は、「Biz∫SCAW製番管理システム」に蓄積されたデータやシステム機能をより効率よく有効に即座に活用することです。
これらの課題や目標をNTTデータ関西と一緒に実現していきたいと考え、そのためにNTTデータ関西には、コンサルタントのような役割も担ってもらいたいと私は考えています。
当社の場合は製造業に精通したコンサルタントを招き、そのうえでシステムの検討を行いましたが、もしシステム会社が今以上に製造業に精通し、モノづくりのあり方に対して提言や指導を行えるようになれば、さらに実情に即した便利なシステムができあがると思うし、導入過程や導入後の運用においてもシステムをどのように有効に使うべきか等コンサルタントの立場で緻密に指導をして頂ければさらによくなると思うんです。
今後、NTTデータ関西には、システム活用コンサルタントとして期待したいです。
何はともあれ、今回のシステム更新で、確かに全社的に価格や原価に対する意識は高まったことが大きな進歩です。

企業概要

導入製品

Biz∫SCAW製番管理システム

会社概要

会社名 京都電子工業株式会社
所在地 〒524-0034 京都市南区吉祥院新田二の段町68番地
事業内容 「研究用分析計」「環境用分析計」「医用分析計」の製造販売およびそれに付帯する一切の業務
設立 昭和36年(1961年)7月
資本金 3,000万円

京都電子工業株式会社様

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