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経験者が語るIT部門運営の秘訣

【第6回】ITベンダー企業にモノ言いたい!! “ITベンダーに期待したいコト”

社内のデジタル化や各種IT対応を行っていくには、ITベンダーの存在は大変重要です。
 基幹システムや各種業務システム、それらの基盤となるセキュリティやネットワーク、サーバ等のインフラ、PC、ワークステーション、モバイルなどの端末デバイス、これらはすべてITベンダーから供給されたもので成り立っていますのでITベンダーの協力は不可欠です。
 情報システム部門においてIT戦略を迅速かつ的確に実現していくためには、自社のニーズにマッチしたツールやソリューションの供給と、問題解決を一緒に手 伝ってくれるITベンダーを選定していくことが成功の大きなファクターとなります。
 筆者が今までの経験を振り返って取り組んできたことやITベンダーに期待したいコト、こうしておけばよかった等の事項についてお話します。

ITベンダーに対する不満

読者の皆様において、ITベンダーに対して以下のような不満を感じられたことはありませんか?

 

  1. ITプロジェクトを行う上で頼りにしたがうまく進まなかった
  2. ITプロジェクトの成功に向けて、もっと踏み込んで支援をして欲しかった
  3. IT構築の観点はこなしてくれるが、それ以外の支援には不満が残った
  4. 技術や機能の提案はあるが、課題解決の観点での提案には踏み込んでくれない

 

筆者の経験では、これらの現象の原因や背景として次のような事柄があげられます。

項目 説明
ITベンダー・ツールに対する思い込み
  • 相手はプロ集団なので、色々と支援してくれるだろう
  • 機能的に色々と対応できるだろう
契約、責務という壁と理解齟齬
  • 顧客側とITベンダー側の役割・分担範囲の問題
  • 契約事項の解釈や意味の取違い(期待的な思い込み)
ITベンダーの見識・知見について要求面からの妥当性の問題
  • 業務関係や関連の知見・見識についてGAPが大きく、期待値には及ばなかった
選定評価時における具体的な確認の不足
  • 上記関連事項の確認
  • 題解決やプロジェクト成功の観点で、支援がどのようになされるか?についての確認

ITベンダーへの期待

顧客側としては、ソリューションやツールの機能や中身は勿論重要な要素ですが、提案・構築から稼動までのトータル的な支援をどこまで対応してくれるかというベンダー側の姿勢が大切です。責任をもって構築から稼動後に安定し軌道に乗るまでの総合的な支援の姿勢を望んでいます。
つまり、ITツール導入だけでなく顧客目線でプロジェクトの成功に向けて取り組んでくれるITベンダーはパートナーとして付き合える存在であることを求めており、医療で言えば掛かりつけ医的な存在になってもらいたいのです。
更に選定時やプロジェクト推進時において次のような「曲者」があります。これらの曲者が潜んでいると、後に齟齬が発生して「ベンダーの嘘」というような問題に発展していきます。

 

  1. 顧客とITベンダーが使用する用語の意味合いや定義の取違という曲者
  2. 「できる」「可能である」という提案の曲者

 

このような「曲者」に惑わされないためには、前述したような選定時の具体的な確認が必要だと考えます。選定時の段階から聞きたいことをしっかり質問し、相互の理解を高めることで、信頼関係を築いてパートナーになってもらうことができるのです。

パートナーになってもらう取り組み

前半でお話ししたような認識齟齬や期待からの乖離が起こると「ベンダーを信頼していたが現実は違った」というような状況に陥ります。
そのような状況を回避できるITベンダーを探していく方法もありますが、新たに取引する際には短期間でその判断は難しいものですし、相手次第のところがあるため受け身的な取り組みになってしまいます。

そこで買い手(顧客側)と売り手(ITベンダー側)の考え方とアプローチが異なることを理解し、それを念頭に対応する必要があると考えています。(詳しくは表1参照)
その認識の中で、能動的にパートナーになってもらう動きを取ることです。こちらの意図をキチンと伝えて具体的に視覚(書類、現物、図式)で内容を確認し(意味、粒度、深さ、動き)、受領側の顧客と提供側のITベンダー双方で腹落ちして進めることが必要です。そのためにはソリューション紹介や提案を受ける際に、ITベンダー側のペースにゆだねるのではなく「どのような観点で提案を受けたいか?」「自社のどの分野でどのような貢献が期待できるか?」「提案から軌道に乗るまでどのような支援をしてくれるか?」などの聞きたい事項をあらかじめ事前に相手に伝えて、双方の理解を高めるコミュニケーションが重要です。

また、提案を評価する上で、先に述べたように期待的な評価や思い込みは禁物です。受けた提案は言葉の説明だけでなく、自分たちの目的にかなうものか?という観点で、デモストレーション、実際のオペレーション、概要が理解できる図式など視覚的な説明を求めて理解齟齬が無いようにして、期待的な評価や思い込みをできるだけ無くして客観的な提案評価を行うことが重要です。つまり、視覚的な説明を受けて事実を確認した上で「やりたいことが実現できるか?」という評価を行う必要があります。
今までの経験を振り返った反省としては、普段からITベンダーとは良好な関係づくりが必要だった、ということが挙げられます。相手側もリソースの問題がありますので、こちらが望む体制を適時的確に整えられないケースもあります。そこで、IT中期計画など今後の取組について開示できる範囲で説明し、実際にプロジェクト発足時に迅速にコンペティションや提案を行ってもらうように、提案の準備や体制構築の準備に繋がるフォーキャストを提供して円滑に進めるようにしていくことが重要です。

つまり、実現したいコトやIT化の悩みについて具体的な内容でコミュニケーションをキチンと取ることで、様々なデジタル化による問題解決に向けた相談が進み、意思疎通が図れ、信頼度も増してきてパートナーとしての存在に発展していきます。

最後に

ITベンダーへのお願いとして、製品やサービスの概念論や機能論が中心の説明や提案ではなく、顧客側の課題解決の視点で取り組んで欲しいと思っています。すなわち、顧客の課題解決、経営や事業、業務への貢献という観点でのコミュニケーションを取っていっていただきたいということです。
顧客側としては、提案に際して事業貢献につながる説明や事例紹介が有効です。聞き手であるITベンダーは、それらの情報があれば自分たちの立ち位置に置き換えて具体的イメージを描けて理解を行うことができますので、そのような取り組みが大切だと考えています。

 

表1:買い手と売り手のアプローチの整理

著者プロフィール

オフィスJOE

小林 譲 氏

【経歴】

  • 1980年 富士通株式会社入社
  • 1985年 大日本スクリーン製造株式会社入社(現在の株式会社SCREENホールディングス)
  • 2009年 同、情報システムグループ グループ長
  • 2014年 SCREENホールディングス IT企画室長
  • 2015年 SCREENシステムサービス 代表取締役社長
  • 2019年 同、会長
  • 2020年 同、顧問(非常勤)
  • 2021年 同、顧問退任
    現 特定非営利活動法人 CIO Lounge 理事

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