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匠が斬る2

[経営管理における今後の視点]
【第3回】スマート工場とその可能性

1.見える化の可能性

工場におけるPDCAをきちんと回すためには、業務をサポートできるようなデジタルシステムの構築がますます重要になってくることに疑問の余地はありません。

①工場の内外で必要なデータが上がってくる仕組み

② データを適切に処理するコグニティブなコンピューティング

この2つを高い次元で実現し活用することで自律的な工場運営のレベルを大きく向上させているのがスマート工場と考えられます。生産3要素であるヒト、モノ、設備を今まで以上のレベルで管理することで業務革新の可能性が大きく広がっています。

2.スマート工場の実現機会

スマート工場が持つべきアドバンテージ機能は、見える化、知能化、自動化の3つが重要と考えられます。そして、この3つの機能を支えるデジタル技術としては、IoT、センサー類、AI、ビッグデータ、ロボット、RPAに注目が注がれています。

 

このスマート工場を実現できる一番の機会は新工場や新ラインの建設です。大きな投資で情報や制御システムを新規にデザインできるチャンスです。挑戦的なQCⅮ目標を設定し、工程や設備設計とセットでシステムを検討できます。このような機会を待たずとも現状のラインをスマート化する改善も有効です。いずれの場合でもセンサーやモニタ-類をパイロット適用してテストし機能と効果を検証するようなステップを踏んでいきます。

 

いずれの場合でもスマート工場の実現にはそれなりの投資が必要になります。ビッグデータの活用では、莫大なデータからこれまでにない価値や意味を見出すという側面がありますが、やたらにセンサー類やモニター装置を取り付けて不要なデータを吸い上げているようではお金の無駄遣いになります。投資対効果をきちんと見極めてから、そのためにどんなデータを取るかを見極めるというステップは欠かせません。

3.実現に向けた課題

一般的にICT投資は設備投資と同様に扱われますが、以下の基幹システム更新時における悪魔のサイクルのように投資効果を厳格に求めすぎるあまり投資を逡巡し大きな業務改革の機会を失っていたということは少なくありません。

 

水道、電気、電話網はインフラ投資として扱われ通常そこへの投資効果の有無は問われません。ネットワーク構築、PC、スマホへの投資などは、同様にインフラ投資として扱うという考えが拡大しています。さらに定性的な効果をどのように評価するのかについても課題です。問題を早く把握できて事前に不具合を潰せたり意思決定が早まり売上増に繋がるなどは定量効果には表せませんが、計り知れない潜在的効果を秘めています。多面的視点からICT投資を考えないと置いて行かれてしまいます。

 

2つ目に挙げる課題は人材育成です。スマート工場を実現するために強化すべき分野は、現在の組織や業務分担の間にある分野に多くあります。自動化設備を稼働させる場合は生産管理と生産技術の連携が必要ですし、IoTを使ったデータ収集と管理では生産技術と情シス部署の連携が必要です。このような協業を伴うプロジェクトをリードする人材が不足しており、構想検討や要件検討でとん挫したり、外注に丸投げして大金をはたいたりして苦しんでいる例は少なくないようです。腰を落ち着けた中長期的な育成が必要です。

 

スマートファクトリーという言い方がここ数年の主流ですが、過去にもCIM(Computer Integrated Manufacturing)やFA(Factory Automation)という言い方でスマート工場を実現するという考え方は過去から続いているものです。過去と比べて大きく違ってきたのはICT技術の進歩です。過去には実現できなかったことや検討段階で断念したことの多くは実現可能な時代が来ています。きちんと必要機能を見極めて適正に投資をすることで業務革新を達成することが経営レベルでの重要な責任の一つになっています。

著者プロフィール

ワクコンサルティング株式会社 エグゼクティブコンサルタント

竹内 芳久 氏

【主なコンサルティング実績】

オペレーショナルエクセレンス研究所 代表パートナー

◆コンサルティング分野
ICTを活用したプロセス改善から、企業価値向上視点での生産部門 KPIの設定と活用支援、バリューストリーム視点での改善支援、マネジメント改善及び人材育成の支援など

◆著書その他

  • スマート工場のしくみ(日本実業出版)
  • マニュファクチャー2030未来の製造業(日経BP)
  • 講師: 日中協会、大阪府工業会、大学非常勤講師など

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